「読み書き」の仕組み概説を読む〜酒井邦嘉『脳を創る読書なぜ「紙の本」が人にとって必要なのか』

2017年6月10日

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ISBN-13:978-4408109077
ISBN-13:9784408109077
ISBN-10:440810907X

電子書籍が本の主流になる(かもしれない)前に読んでおくべきか?と一瞬、気になったので酒井邦嘉『脳を創る読書 なぜ「紙の本」が人にとって必要なのか』(株式会社実業之日本社、2011)を読んでみた。

著者は、自身のことを「言語脳科学を専門とする科学者であり、大学で物理学と脳科学と言語学を教えている」と紹介している。

全体としては「紙の本」のよさを強調しているというよりも、序章にあるように
「読書では、本の限られた情報をもとに自分で考え、想像をめぐらせ、思索にふけることこそが極上の楽しみ」であるという考え方を前提に、「読み書き」のメカニズムを脳科学・言語学・数学から概説しているという印象。

随所に、潔く否定も肯定もできない箇所が多くあると感じたが、以下の点では過去の経験とともに共感できた。

【紙の本】

「本の厚みが与えるページの量的な感覚」「視覚的にも触覚的にも常に全体のどのあたりを読んでいるかを把握しながら読むことができる」とある。

ここまで読んできた!という読んだページの厚み・重みへの満足感は確かにある。しおりをはさむ瞬間の安堵感なども。

【電子書籍】

「画面自体が光を発しているので目が辛いという人もいる。」

紙の活字の落ち着いた佇まいは、発光しないことにも理由がありそうだ。

【「書く」という行為について】

板書の筆写を例に挙げ「自分で考えて書き、書いて考える―そうした時間がないと知識は自分のものにならない。」

書く対象が電子化されても、書くことで考えることを忘れてはいけないという警鐘?にも、とれる。

学生の頃を振り返ると、先生方の多くが重要な言葉を黒板のあちらこちらに思いつくままに書き残されていた。そして90分間の講義内容を学生がノートにまとめる必要があった。つまり学生のノートはそれぞれ皆違う内容になる。

講義内容の解釈の仕方がそれぞれのノートに特徴を持って残るわけで、単位が認定されるか否かの最終試験では、如実にそのノートが生きてくる。

本当に理解して講義を聴いていたノートだけが、先生の採点基準に従って試験結果に反映され、成績や単位取得に影響する仕組み!(巧妙なストラテジー。。。))知識を自分のものにしているかどうかを判定されていた数少ない過去の経験だった。

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各章のテーマが、どれも興味深いために各章ごとにもっと掘り下げて追究していただきたいところですが、ページ数に限りがあると思われました。

雪かきの疲労の後にも、起床後の頭の体操にも読めましたので、何冊か同時に読むときの1冊としては楽しく読めます♪

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今日は昭和61年以来の大雪との報道がありました。その頃は、日本海側にはおりませんでしたので、初めての大雪を体験しております(悲)